富岡市人材育成基本方針
1 はじめに
富岡製糸場の世界遺産登録を目指す富岡市と自然豊かな日本の三大奇勝妙義山を擁する妙義町は、平成18年3月に新設合併し、富岡市として新たなスタートをきった。古くから親交の深かった両市町は、富岡市の将来のために市民と職員が一丸となって英知を結集し、恵まれた資源をもとに、より良いまちづくりを目指している。地方分権時代を迎え、自治体を取り巻く環境は、少子高齢化や厳しい財政状況にあるが、市民ニーズは増大多様化の傾向にあり、行政運営はますます難しい局面を迎えている。
このような中、効率的な行政運営を図るため組織のスリム化が図られている。職員数の減少とともに、資質の高い職員による将来構想の企画立案や少数精鋭での事業実施等が求められており、市の様々な行政課題を達成するためには、優秀な人材の確保は必要不可欠で、人材育成の重要性が更に高まっている状況である。
本方針は、地方公務員法第39条及び国の人材育成基本方針策定指針に基づき、富岡市職員の人材育成を図るための指針を示し、全体の奉仕者としての品位と見識及び実践力を育成し、一人ひとりの能力を伸ばし、市民の信頼に応えることのできる職員の育成のために活用する。
2 人材育成の基本的な考え方
「市役所は最大のサービス機関である」ことを基本として、富岡市の特色ある独自性を発揮し、創造的かつ効果的・効率的なまちづくりを実現するため、市民の期待や時代に即応した、地方分権時代に求められる職員の育成を目指す。
自己啓発、職場研修(OJT)、職場外研修等で培った研修成果を日常の業務に生かし、その成果を適正に評価することにより人事制度の異動や昇任に反映させる。これにより、職員の意欲をさらに向上させ、研修と人事制度の体系的な人材育成を図る。
ア 常に市民の立場に立って行政を考える職員を育てる。
イ 職員は、常に向上心を持ち、自己啓発に努める。
ウ 市は、職員の能力開発支援のための研修制度等の充実に努め、体系的な人材育成を図る。
(1) 目指すべき職員像
ア 市民感覚を持ち、市民の目線に立って行動する職員
市民とともに魅力あるまちづくりを進める中で、市民の目線に立って共に考え、コンセンサスを得ながら市民と協働できる職員
イ 常に問題意識を持ち、新たな課題に挑戦する職員
前例踏襲主義を打破し、様々な視点から問題意識を持って取り組み、新しい観点で課題の解決に取り組むことのできる職員
ウ 経営感覚に優れ、コスト意識・プロ意識の高い職員
業務を遂行するうえで、常にコスト意識を持つとともに、職務上のルールを熟知し専門知識を備え、市民に的確な情報提供や説明責任を果たせる職員
エ 広い視野をもち、速やかで柔軟な対応ができる職員
問題を先送りすることなく、広い視野で様々な情報を取り入れ、社会状況の変化に迅速で柔軟に対応し問題解決が図れる職員
オ 自己啓発意識が高く、積極的な職員
自らを成長させるための自己研鑽に努め、何事にも意欲的に取り組む職員
(2) 職員に求められる能力
職員に必要とされる能力は多岐にわたるが、階層ごとの職位によりさらに必要とされる主な能力は、次のとおりである。
ア 部局長
【政策決定能力、政策調整能力、行政経営能力、部門管理能力】
・ 市の方針に基づき、担当部門の重点政策決定に総合的な調整を行う。
・ 経営管理の立場から、長期的な視点で事業執行管理を行う。
・ 危機管理を考慮した戦略的な課題解決を図る。
・ 人を育てる職場風土を醸成する。
イ 参事・課長
【政策形成能力、意思決定能力、折衝交渉能力、人材育成能力】
・ 担当業務に対し、幅広い視野に立った効果的な業務の進行管理を行う。
・ 危機管理を考慮した戦略的な課題解決を図る。
・ 市民との調整や理解を得るための適切な折衝交渉を行う。
・ 所属職員の能力の把握と指導・育成に当たり、職場環境の向上に努める。
ウ 主幹・課長補佐・係長
【担当業務の専門能力、政策立案能力、折衝交渉能力、指導育成能力】
・ 上司を補佐し、職場の実態を把握し、目標達成のための具体的な政策立案や実施に当たる。
・ 担当業務に精通するとともに問題意識を持ち、課題解決に取り組む。
・ リーダーシップを発揮し係全体の状況を把握し、コミュニケーションの図れる職場づくりに努める。
・ 職員からの提案や発想を積極的に取り上げ、実現に向けた指導助言をする。
エ 主任主査・係長代理
【担当業務の専門能力、課題解決能力、事務改善能力、後輩指導力】
・ 担当業務に精通し、目標に向けて的確に職務を遂行する。
・ 係全体の業務に精通し、係内の連絡調整を図る。
・ 常に問題意識を持ち、改善を提案する。
・ 職場の先輩として、後輩を指導する。
オ 主事・技師
【担当業務の遂行能力、課題発見能力、事務改善能力】
・ 職員としての基本的な知識と倫理観を持ち、担当業務を着実に遂行する。
・ 市民の立場に立った視点で考え、課題発見に努める。
・ 担当事務に対し問題意識を持ち、課題発見に努め解決の方法を提案する。
・ 自己啓発意欲を持ち、積極的に知識やスキルアップに取り組む。
3 人材の育成
(1) 職員研修の重点項目
職員研修の実施に当たり、職員として持つべき基本的な能力や各階層の職位により求められるそれぞれの段階による目的達成のため、次の項目に重点を置く。
ア 高い倫理観と使命感の高揚
イ 専門的知識・実務能力の向上
ウ 説明能力と対人折衝・交渉能力の向上
エ 組織管理能力・育成指導能力の向上
オ 政策形成能力・法制執務能力の向上
カ 課題発見・解決能力・情報収集管理能力の向上
キ 自己啓発意識の高揚
(2) 職員研修の体系
職員研修は、次の3つを柱として実施する。
ア 自己啓発
人材育成の基本は、自らが学ぼうとする意欲や主体性があって効果がでるものであり、自己啓発は人材育成の基本となる。
自分の担当分野に留まらず広範囲にわたって意欲的に研修に取り組み、能力向上を図れるような支援を実施する。
イ 職場研修(0JT)
職場において、上司から部下に対し、日常の業務を通じて行う研修。上司の業務経験や体験を通して、業務から接遇に至る全般的な指導を行う。
各職場で人を育てる風土づくりを推進することが重要であり、部下の育成や指導を計画的に推進できるよう体制を整える必要がある。
ウ 職場外研修(OffJT)
日常の業務を離れ、研修に専念できる環境の中で新たな知識や技術を習得し他の職場や団体の人と交流する中で、視野の拡大や意識改革を図る。
専門能力の向上を図るとともに、既存の枠にとらわれない豊かな発想の転換を促す契機とするため、研修の充実を図る。
<職員研修体系>
【自己啓発】通信教育研修、その他
【職場研修(OJT)】職務関連研修、その他
【職場外研修(OffJT)】
<一般研修>
◆新採用研修:
新採用職員研修(前期)、新採用職員研修(後期)◆初級職員研修:
初級職員研修◆中級職員研修:
中級職員研修、中堅職員研修、係長代理職員研修、技能労務職員研修◆監督者研修:
係長研修、主幹・課長補佐研修◆管理者研修:
部長・課長研修
<特別研修>
◆専門研修:
プレゼンテーション研修、市民対応研修、法制執務研修、政策形成研修、IT、英会話、手話、講演会等◆派遣研修:
自治大学校、群馬県、民間企業等、群馬県市長会、群馬自治総合研究センター、市町村職員中央研修所、全国市町村国際文化研修所、その他研修機関
4 人事制度の充実
人材育成に重点を置いた人事制度となるよう充実を図る。
(1) 人事異動
適材適所の配置に努めるとともに、本人希望を尊重することにより、職員の持つ能力を最大限引き出せるような人事配置を目指す。
(2) 自己申告制度
職員の意見や異動、昇任希望等をよく聴き、これを尊重することにより、職員が意欲的に業務に取り組めるよう更に制度の充実を図る。また、上司の評価についても引き続き実施していく。
(3) 勤務評定制度
勤務評定は、職員の持つ能力等を適正に評価し、これを処遇等に反映させるとともに、職員個々の持つ能力を最大限に引き出すことである。職員の能力を引き出せる制度となるよう充実を図るため、従来から実施している次の項目について、引き続き的確に対応していく。
ア 勤務評定実施要領、評定基準等の開示
イ 自己評定の実施
ウ 個別面接によるフィードバック
エ 評定結果を個人情報として被評定者に開示
オ 苦情相談
(4) 昇任試験制度
各職位に求められる能力を的確に精査し、優れた能力を有する職員を選考して役職に任用するため、部長職・課長職・係長職への昇任にあたっては、昇任試験制度を導入し、選考のうえ任用していく制度の確立を目指す。
(5) 希望降任制度
健康上の理由や家庭の事情、さらに人間関係などから管理者としての適正を欠くと気づいた時。そのままその職にとどめておくことは、職場の運営に支障が生ずるだけでなく本人にとっても非常に苦痛となる。このような場合には円滑な行政運営を推進するため、本人の希望による降任を行う。
(6) 経歴管理(ジョブローテーション)
いくつかの異なった職種を経験させることにより、職員の多様な適性を発見し、職務の専門性への適応を図るとともに、長期的な観点から人材の育成を図る。
5 人事制度と研修制度との連携
研修後の能力を的確に活用できるよう、次のように人事制度との連携を強化していく。
(1) 研修職員の選考に当たっては、事前に人事との調整を図り、研修内容にふさわしい職員に受講させるよう努める。
(2) 研修実施後は、研修の効果測定を実施する。
(3) 効果測定結果に基づき、研修で取得した能力を十分発揮できるような人事配置に努める。
6 その他人材育成を実現するための施策
(1) 職場の健康管理体制の推進
職員が健康で働くことが出来る環境を作るため、職場の健康管理対策について心身両面での総合的な健康管理を推進する。
(2) 男女間格差のない職場環境づくり
採用や昇任、配置など人事管理の上で男女間の差別や偏見による取扱がされないよう、女性職員の持つ能力の積極的な活用を図る。また、様々な研修の機会をとらえ、男女共同参画社会の実現に向け、職員の意識改革を図る。
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