なぜ 民営化なの?<ガス事業民営化の必要性>
1.エネルギー間競争の激化
富岡市のガス事業は、昭和37年に事業設立、昭和38年に供給開始して以来、徐々に供給を拡張し、現在にいたっています。供給件数では、8000 件、供給区域内の普及率では、80%となり、先人たちの努力と需要家の皆様の協力により、初期の目的を達成するに留まらず本市都市機能の充実に大きく貢献してきています。しかしながら、昨今、ガス事業を取り巻く環境は急速に変化しつつあり、自由化範囲の拡大などを背景に、電気など他のエネルギーとの競争が激化しています。
ガス水道局においても、競争の激化などにより、家庭用分野において顧客数の減少が目立っています。業務用分野では、近年、原油価格の高騰などにより価格面において優位であり、環境負荷も小さいことなどを背景に、天然ガスの需要が伸びていることなどから販売量は堅調に推移しておりますが、従来、家庭用を中心とした営業スタイルをとってきたため、家庭用需要の落ち込みにより収益が徐々に悪化してきています。よって、今後は、家庭用需要を堅持しつつ、業務用需要の拡大を図り、競合に対応していくことが課題となっています。
2.公営ガス事業者としての課題の顕在化
こうした厳しい競合環境の中で、ガス事業者には、顧客のニーズに応じ、質の高い製品やサービスを低価格で速やかに提供していくことが求められていますが、このような観点で見た場合に、富岡市ガス事業は、公営事業者としての制約から、以下のような課題を抱えており、このままではエネルギー間の厳しい競争を勝ち抜き、事業を永続的に発展させていくことが困難になってきています。
◆サービスが限定的
近年、お客様のニーズは多様化しており、民間の都市ガス事業者においては、ガスの供給だけではなく、様々なサービスも複合的に提供しながら、お客様の囲い込みを図っていますが、本市においては、地方公営企業法の規定により提供できるサービスが限定されてきた経過から、提供するサービスの範囲が本業であるガス事業のほか、一部ガス器具の販売など関連事業に限定されています。
昨今、民間事業者において多様なサービスが提供されるようになり、附帯事業の解釈も緩やかになりつつありますが、これまでガス事業を中心として事業を展開してきた経緯から、新たな事業領域に進出しようとした場合に様々な利害関係者との調整が必要となり、時に民業圧迫との批判を招きかねないほか、ノウハウの取得に時間を要するなどの阻害要因があり、新たなサービスの提供が思うように進まないのが現状であります。◆相対的にコストが高い
本市は、地域住民を対象とした公共の福祉増進という地方公営企業経営の基本原則からガスの供給エリアが限定的であるため、民間の大手ガス事業者等に比べ原料の調達単位が小さく相対的に原料コストが高くなっており、また、資材等を公平性や透明性確保のため原則として入札により調達することから、長期にわたる相対取引などの調達手法を柔軟に選択できる民間事業者と比べた場合に相対的にコストが高くなる傾向があります。◆経営の弾力性が小さい
常に公共性が求められるため、様々な顧客の要請に対して、事業機会を逸することなく柔軟に判断、決定していくことが困難な場合が多く、また、ガス料金など経営の重要事項について議会をはじめとするステークホルダー(利害関係者)との調整プロセスが民間と異なり、経営判断に要する時間が相対的に長くなるなど、弾力的な経営が行いづらい環境にあります。
以上から、ガス事業の将来を見据え、お客様や市民の利益を拡大していくためには、民間の創意ある経営が必要です。
3.行財政改革の進展
一方、富岡市の行財政改革の視点に立った場合、一層の行財政改革を進め厳しい財政の健全化を図ると同時に、「公共」を担う行政と民間の役割分担を見直していく必要が生じています。ガス事業は、全国的にも民間企業が経営しているのが通常であり、「民間にできることは民間に」という観点に立った場合、民間に委ねるべき分野の事業であります。
4.厳しい経営資源
富岡市ガス事業は、数年来の投資的経費と供給施設等の修繕経費の抑制と圧縮の効果と購入ガスの原価値下げで、経営的には黒字を計上しておりますが、決して企業努力の成果とはいえません。よって、今後は、老朽化した施設や導管網の整備が喫緊の課題であり、これに充てる経費の増加、更にまた、平成 22年1月には、帝国石油によるLNG導入に伴うガス原料価格の大幅な値上げが控えており、値上げ分を全て料金に転嫁することが難しいことなど、経営的には厳しくなることが推定されます。
また、人員削減や頻繁な人事異動に伴う技術継承や経験不足から大きな災害が起こった場合、人的にも資金的にも心もとなく危機対応能力が乏しい状況であります。更にガス事業では、日頃の自主保安体制の強化がますます重要視されてきていますが、富岡市の現在の体制では、保安体制の維持さえ難しいのが現状です。
以上の点を踏まえ、中、長期的な事業経営を展望した時には、民営化により、租税課金など新たなコストの発生や長年にわたって富岡市ガス事業が築いてきた顧客との信頼関係の受け渡しなどの懸念材料があるものの、より制約の少ない民間の創意ある経営に委ねることが、事業価値をさらに高め都市ガス事業を永続的に発展させ、顧客及び市民の利益の拡大につながるものと考えます。
お問い合わせ: ガス水道局 管理課 TEL: 0274-64-1151(代)
e-mail: g-soumu@city.tomioka.lg.jp
