昭和の名画鑑賞会
登録日:2020年10月27日
上映作品・あらすじ
⑴ 午前10時00分『めし』[1951年公開](97分)
出演者 上原謙・原節子 ほか
黒澤明、溝口健二らに続く日本映画の巨匠として名高い、成瀬巳喜男監督の代表作。アメリカの映画批評家オーディ・ボックなどは、本作を成瀬作品のなかで最も好きな作品だと語っている。
大阪の街角に夫・初之輔(上原謙)と暮らす三千代(原節子)は、代わり映えのしない日々に心のどこかで退屈を感じていた。そんなところへ、初之輔の姪である里子(島崎雪子)が転がり込んでくる。縁談が気に入らず、両親の元を飛び出してきたという。良くも悪くも自由奔放な里子がやって来たことで、単調だった二人の暮らしに、思いもよらぬ波乱が生まれ始める。
原作は林芙美子による未完の新聞連載小説。その結末を含め、脚色を委ねられた田中澄江と井手俊郎の叙情と才気が、成瀬の演出のなかに開花している。
⑵ 午後0時30分『おかあさん』[1952年公開](98分)
出演者 田中絹代・香川京子 ほか
この作品は当時、全国の小学生から募集した作文をまとめた「おかあさん」をもとに、女流脚本家の第一人者・水木洋子が脚本化したものである。「キネマ旬報」ベストテン第7位。
戦災で失ったクリーニング店をようやく再開した福原家。父の弟子である木村のおじさん(加東大介)の助力もあり、順調なスタートを切ったのだが、喜びも束の間、夫は過労で、長男は病で亡くなってしまう。娘二人と幼い甥を抱え、妻・正子(田中絹代)は懸命に働く。その背中を、長女・年子(香川京子)は複雑な気持ちで眺めていた。
淡々とした生活描写のなかで、母と店を手伝う使用人との噂への反応や、密かに芽生える恋心など、思春期の少女の微妙な感情が、丁寧で緻密なカットの積み重ねにより描かれ、独自の世界を築き上げている。
⑶ 午後2時20分『流れる』[1956年公開](116分)
出演者 田中絹代・山田五十鈴 ほか
零落する花街の姿を描いた幸田文の同名小説を、田中澄江、井手俊郎による脚色で成瀬巳喜男が映画化した作品。「キネマ旬報」ベストテン第8位。
女中の梨花(田中絹代)は、職業安定所から紹介を受け、傾きかけた芸者置屋・つた家にやって来た。女将であるつた奴(山田五十鈴)との面談で、「呼びにくいから」と名前を「お春」に変えられたものの、無事に採用され、住み込みで働くことになる。やがて彼女は、芸妓たちのおかしくも悲しい人間模様や、時代の流れの中で廃れていく置屋の実情を知ることになる。
前年『浮雲』でベストワン監督となった成瀬が、当代を彩る女優陣の火花散る競演を得て、芸者として生きる女たちの健気さやエゴを引き出し、代表作の一つとした。女優たちの艶とケレン味が、座敷の場面を一つも描かずして、セットと実景を見事に結合させた空間構成のなかから引き出されている。
⑷ 午後4時30分『乱れ雲』[1967年公開](108分)
出演者 加山雄三・司葉子 ほか
成瀬監督が、亡くなる2年前に手がけた遺作。普通なら交わることのない男女の関係の変化を、それぞれの心の葛藤とともに丁寧に描いた名作として名高い。
順風満帆な結婚生活から一転、夫を交通事故で亡くした由美子(司葉子)は、ショックのあまり妊娠していた子を流産してしまう。一方、事故を起こした史郎(加山雄三)は、裁判で無罪判決を受けたものの、毎月賠償金を支払うことを約束し、青森に左遷されていった。二人は、由美子が義理の姉・勝子(森光子)を頼り、青森の旅館に就職したことで再会する。
東京から青森に舞台が移り、当初の憎しみが愛情に変わり始め、自らの理性と感情の相克に悩むという難しい役柄を、司葉子が好演し、彼女の代表作となった。映画がまだサイレントであった1930年に監督デビューし、その後87本もの作品を世に送った巨匠の遺作にふさわしい秀作である。
日時
令和3年1月17日(日曜日)
入場料
【自由席】(当日各300円増)
一般 500円 友の会 400円
注:一日券です。一枚ですべての作品をご覧いただけます。
注:座席数を制限して開催いたします。
注:「めし」の上映終了後、入場いただいた方には一度、退館していただきます。(客席を一斉消毒するためです)
発売日
一般・友の会 11月8日(日曜日)
新型コロナウイルス感染症予防に係るお願い
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