旧富岡倉庫
登録日:2022年5月16日
旧富岡倉庫の建物群は、明治30年代に創業をした富岡倉庫株式会社が建設した倉庫で、1号・2号・3号倉庫及び乾燥場の計4棟の建築年代・仕様の異なる建物で構成されています。創業当初は、主に繭や穀類などの地場産品の保管に使用されていました。
時代の流れとともにその役割は一旦終わることになりましたが、「歴史的建造物を活かしたまちづくり」の一環として、新たな価値を加え、にぎわいの拠点となるように、世界的な建築家であります隈研吾氏による設計監修のもと整備を図りました。
©Kawasumi・Kobayashi kenji Photograph Office
旧富岡倉庫整備工事概要
工事期間
平成29年度から令和4年度まで
活用
- 1号倉庫…群馬県立世界遺産センター
- 2号倉庫…メルシーココン&カフェ
- 3号倉庫…おかって市場
- 広場…イベント及び休憩スペース
見どころ
(1)通り抜け
繭や穀類などの保管が目的として約100年前に建設された「倉庫」から「広場を核としたにぎわいの拠点」へ用途変更するにあたり、各倉庫に「孔」や「隙間」を開け、富岡倉庫広場に人を導くための通路を確保することで、上州富岡駅とまちなかや富岡製糸場を倉庫によって繋ぎ、倉庫とまちを繋ぎ直そうと試みました。
整備前の1号倉庫と2号倉庫は隣棟間隔が狭く、地震の揺れで外壁がぶつかり合う懸念がありました。このため、れんが壁を後退する減築をして、再構築する際に通り抜けの通路を設けることで安全性とにぎわいの両立を図りました。
(2)景観
景観重要建築物である富岡倉庫の外観を出来るだけ維持するために、外観の変更を全体の4分の1に抑える改修としました。
県道拡幅に伴う3号倉庫の減築では、状況を逆手に取り、土壁からガラス開口に変更することで、法規上必要となる通気・採光・排煙を確保し、富岡市役所に対しての繋がりも配慮しました。
(3)構造
既存建物を安全に活用していくうえで必要となる耐震補強では、柱や梁などの鉄骨部材に加えて、軽量で既存建物への負担が少ない炭素繊維の技術を活かした耐震補強材をあやとり状に配置しました。
地図情報
旧富岡倉庫
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