令和4年度に実施した農家の課題解決プロジェクト
登録日:2023年3月1日
概要・経過
本事業は、令和3年度から本格的に実施しており、令和3年度は「人手不足」にテーマを設定して、全3回のワークショップを実施しました。
第1回
「人が足りない時期」や「働きに来てほしい人物像」の具体化を行いました。
第2回
「来てほしい人物像が、働いてくれた時の農家側のメリット」「どのようにすれば、来てほしい人物像が働いてくれるか」について議論しました。農家側と働いてくれる側の双方にメリットのある人手不足の解決方法を考えました。
第3回
令和4年度に予定した、欲しい人物像を実際に雇用してみる実証実験が、「どのようなやり方であれば効果的か」というテーマについて議論しました。農業分野では、生産品目によって雇用方法が異なる中、どのような雇用手法が効率的・適切なものになるか、検討を進める必要があることが分かりました。
大学生を雇用する実証実験
令和3年度のワークショップで、雇用したい人物像として浮かび上がった、大学生を雇用する実証実験を実施しました。群馬県内で唯一農学部を有する高崎健康福祉大学及びなす農家の協力のもと、夏休み期間中の大学生を雇用しました。実証実験の結果、ポジティブな意見も出されましたが、収穫期などの農繁期の労働力を、短期的な雇用者で補うことはコストなどの面から、多くの課題があることが分かりました。
失敗から抽出する農業チーム経営の法則 のらくら農場萩原代表による講演会の開催
実証実験にあわせて、先進事例者からの講演会を開催しました。講演者は、長野県佐久穂町にて、常時10人程度の従業員を雇用され、年間60品目程度を栽培されている萩原紀行さんにご協力いただきました。テーマは「失敗から抽出する農業チーム経営の法則」で、自身の失敗談と、現在に至るまでの試行錯誤をお話しいただきました。
萩原さんからお話しいただいたキーワードは以下のとおりです。
- 自分が脳と目になって指示できる従業員の上限は3人。
- 50代になってから行動するのは厳しい。
- 自分の顧客を持つことが重要。
- 自分のやりたいことが自分の能力を超えたとき従業員が必要になる。
短期(2年間)の営農計画を策定するワークショップの開催
経営者にとって、雇用は経常的なコストとなり、リスクに繋がる部分もあるため、経営ビジョンが固まっていないと、雇用に踏み切れないという面があります。
農業分野でのチーム経営で先進者である、のらくら農場の萩原さんに引き続きご協力いただき、営農計画を策定するワークショップを開催しました。
当日の質問(参加農家と考えたこと)は以下のとおりです。
- 現在までの農業歴
- 農業を始めたきっかけ
- 現在の生産物・出荷量型
- 体力のピークになる頃の想定年齢
- これまであったリスク・困難
- これから予想されるリスク・困難
- 残りの農業人生の想定年齢は?
- 残りの農業人生で何を成し遂げたいか?
参加者は、今までの自身の経営を振り返るとともに、今後、自身が成し遂げたいことを考えました。
令和5年度の当該事業実施に向けて
今後農業分野では、経営体の規模拡大や雇用型経営への移行が進展することが、農林業センサスなどにより明らかになっています。農業分野では、収穫作業などどうしても手作業に頼らざるを得ない部分があり、規模拡大や雇用型経営への移行するためには雇用が必要です。労働者を雇用するためには、労働者から選ばれる職場になる必要があります。
令和5年度以降の当該事業は、上述の経営体を育成するために、農家へ知識の習得・実践ができる支援を進めます。
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